保存療法でどうしても椎間板ヘルニアの症状が改善しない患者には、体に負担の少ない内視鏡手術もあります。全身麻酔下で背中を切開し、筋肉を分けるようにして、金属製の管を背骨まで入れます。
その管内に内視鏡を差し込んで患部に到達させ、テレビモニターで確認しながら、はみ出た髄核を切除します。髄核による神経の圧迫が取れれば、痛みは軽減します。
切開の傷は、16ミリ径の管を入れるだけの小さいもので、しばらくすると消えて目立たなくなります。傷の痛みも軽く、感染や合併症の危険も少なくてすみます。
出血もほとんどありません。術後の回復も早く、数日から1週間で退院できます。内視鏡を使わない通常の椎間板ヘルニア手術でも、飛び出した髄核の切除をする点は同じですが、背中の切開傷は大きくなります。
椎間板ヘルニアの患部が直接確認できるように筋肉を大きく開かなければならないからです。術後の痛みも強く、入院も長くなります。内視鏡では、入り口が小さくでも、明るく拡大された視野が確保されるので、精密な手術ができます。
ただし、モニターを見なから神経の近くで操作をするわけですから、熟練した専門医に施術してもらうことが絶対条件です。
●内視鏡手術
心筋梗塞、肝疾患、食道静脈癌などの内科領域から胆石、ポリープなどの外科領域、さらにヘルニアや関節疾患などの整形外科領域と、日本でも盛んに行われるようになりました。
あるOLさんは、内視鏡手術を受けました。
翌日には、椎間板ヘルニアの痛みが楽になり、歩行訓練を開始できました。
少しずつ歩く距離を延ばし、1週間後には椎間板ヘルニアの症状は腰にわずかに痛みが残る程度になり、歩いて退院できました。
1カ月後の受診時には、まったく椎間板ヘルニアの痛みがなくなりました。
内視鏡手術の利点は、
●出血量が少なく最小ですむことから、患者の肉体的負担が少ない
●早い時期からリハビリを行えるので、早期社会復帰が可能
●日帰り手術をはじめ入院期間が短くてすむ
●経済的にもコストダウンができる
などがあげられ、日本でも保険法の改正により多くの内視鏡視下手術が認可されています。
椎間板ヘルニアに対する内視鏡手術は、経皮的髄核摘出術を内視鏡で直接見ながら行おうというものです。より安全で確実にできる方法です。
その他、脊椎の固定術や腫瘍摘出術も内視鏡視下で行うことが可能となりました。
